全国唯一病厄除守護神 廣田神社

社務日誌

大しめ縄製作のお手伝いに行ってきました。

2010.12.12 -[社務日誌

廣田神社では3年に1度、崇敬団体である「廣田神社 敬神会」より大注連縄が神社に奉納されます。

今回は少しでもお手伝いできないかと、廣田神社より宮司と総代長、副総代長、総代、4人が伺い、見学、手伝いをさせていただきました。

この廣田神社に奉納される注連縄(しめなわ)は一般的なごぼう型(段々先が細くなっているもの)ではなく、じゃんばら型といわれ、四角い網目の幾何学的模様で構成される物になっており、全国的にも大変珍しく、恐らくこの形での注連縄は最大級の大きさではないでしょうか。

平成22年例大祭時の注連縄   外に飛び出すワラの除去作業

その注連縄は兼務社である青森市の瀬戸子八幡宮の氏子総代さん方が作ってくださり、昨日よりワラを叩いて柔らかくし、今日は、注連縄の胴体となる部分を作製しました。

注連縄は巨大なため、総代さんの倉庫を借りて二階部分より吊るして作っていきます。これには相当な握力と、わらをなうタイミングが重要なそうで、4人係で掛け声を合わせて一気に作っていきます。その横にはサポートをする方々がつき、計10人近くで行います。そのため、何年も掛けてようやくその役目を担えるそうで、主導して行えるようになるには相当な時間がかかるそうです。

注連縄なう始め   注連縄2階よりつるす

ちなみに、わらは編むのではなく、綯う(なう)というそうで、編みこむのはじゃんばらの形を作りこむ時に編むという表現をするそうです。

また、意外なことに、材料であるワラも、注連縄用として使用できるものは、中々手に入らないそうで、機械が発達した現代においては、ワラを刈る機械で細かく裁断されるため、予め必要な分を手で刈り、保存しなければならないそうです。

その量も調整しながら作っておりました。また、大注連縄だけではなく、横では瀬戸子八幡宮の各所に張り巡らす注連縄も作っておりました。

そこで、宮司もワラで小さい注連縄を作ってみましたが、これが非常に難しく、皆さんは手をこするだけで、あれよあれよと云う間に出来上がるのですが、一向に手をこすれども作れず、何回も挑戦してようやく、ぎこちないながらも作ることができ、最終的には一間半の長さの注連縄を作ることが出来ました。

注連縄をなう   注連縄つくり

ワラが生活にとって欠かせない時代、誰もが簡単に作ることが出来たことを考えると昔の方は非常に手先が器用であったのかなと思いつつ、生活の中に自然という存在がとても近い所に存在していたんだなと思いました。

現在、このじゃばら型の編みこみを正確にできる方は1人しかおらず、残念ながら次回の3年後の奉納は危ぶまれております。

こうした素晴らしい伝統が消えてゆくことは非常に悲しいことであります。これから、この伝統が途絶えないようしっかりと対策を考え、残してゆかなければなりません。

注連縄を徐々に太く   大変な作業

この大注連縄の奉納ですが、12月23日の10時に取り付けを致します。そして、終了後に奉納奉告祭を執り行い、祓い清めますので、ぜひとも、氏子崇敬者の皆様も取り付けの際には見学に廣田神社までお越し下さい。