青森県神道青年会にて夏期禊練成会を行いました。
2011.9.6 -[社務日誌]
9月5日~6日、青森県神道青年会主催の夏期禊練成会に参加してきました。
毎年恒例となりますが、今期は神青会設立後、初であろう鯵ヶ沢での開催の運びとなりました。
禊(みそぎ)とは、古事記にて伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が伊弉冉尊(いざなみのみこと)を黄泉国まで追いかけた際、そこで穢れてしまった身を川で祓い清めたことから由来し、「禊、祓」は神道において最も重要なものの一つとして考えられています。
現代でも海や川に浸かり、大祓詞という祝詞を奏上しながら心身の罪穢れを祓うというこの禊行法は各神社単位でも行われていますが、青年会では若手神職等が合同で行う、年間でも大切な行事として、長きに渡り続けられています。
まず、全員で青森県神社庁副庁長が奉仕しております正八幡宮にて開講式並び正式参拝をし、今回の練成会参加者へ激励の言葉を木村宮司より頂きました。
その後会場を移し、木村宮司には講師としてそのまま教鞭を執って頂き、講義課題は「竹取物語について」ということで、神話的・神道的要素を含めたかぐや姫の講釈について説明頂きました。
ただ読んでいるだけでは見えてこないことも、このように、その背景に必ず存在する神道的要素を読み解くことでまた違った様相を知ることができました。大変勉強となったことはもちろんですが、楽しくお話を拝聴することができ、今後も祝詞読解の為にも古典文学に親しむ重要性を改めて強く感じました。
講義終了後は鯵ヶ沢海水浴場に移動して禊行法を開始しました。
禊の前には浜辺にて心身の邪気を除き鎮魂する準備運動のような鳥船(とりふね)を行いますが、大勢で行う熱気に自然と突き出す腕にも力が入り、雄健(おたけび)や大祓奏上では腹の底から声を発することができました。
罪穢れを祓うことはもちろんなのですが、会員同士の気持ちが一丸となる、そのような貴重な瞬間がこの禊行法の大事なことの一つでもあると思い、今回もそれを実感できたこと、素晴らしく喜ばしいものでありました。
2日目の早朝も禊行法を行い、その後は観光協会の講師先生をお招きして、鯵ヶ沢町の観光についてご講義をして頂きました。
漁業盛んな鯵ヶ沢の地ですが、近年では観光にも力を入れており近隣の市や町と協力し、新しいルートのドライブマップを作り、世界遺産の白神山地をうまくPRしての観光客の集客に努めていたり、鯵ヶ沢出身の元小結、舞の海秀平さんの展示品や、わさお人気などを利用して今後も様々な企画を提案し大きく広げていきたいという内容のお話でした。
この講義から、神社発展と地域発展に尽す気持ちや考え方には共通するところもあり、また、企画によっては互いに繋がることでさらに相互の発展が見込められるのではないか等、非常に勉強となり、この経験を更なる神社の隆昌に努めるために活用していきたいと思いました。
今回の夏期禊練成会を通して勉学だけではなく会員同士が一緒となって心身を練成することで更なる会の発展に加えそれぞれの神職としての気概も高められたような気が致します。
2日間ではありますが、大変良い経験となった練成会でした。
記・出口権禰宜
青森県神道青年会HP・・http://aomorishinsei.web.fc2.com/