青森市国際交流ボランティア協会の雛祭り体験が行われました。
2013.3.4 -[社務日誌]
昨日、青森市国際交流ボランティア協会(AIVA)さんによる雛祭り体験が廣田神社にて行われました。
青森市国際交流ボランティア協会さんはボランティア通訳を主軸の活動として、在住外国人と一緒に日本文化や地域文化の伝承や体験、または地域コミュニティへの参加によって、外国人とのより深い交流を育み、豊かな社会づくりを目指すボランティア団体だそうです。
定期的に様々な活動を通して多くの交流の場を設けているそうですが、今回は3月3日の雛祭り文化をお伝えしたいということでご相談を頂きました。
そこで、日本伝統の基である神社で行うからこそ、肌で感じて考えてもらえるような事を伝えたいと思い、まずは参加する皆さんに、息災を祈願するご祈祷をしっかりと受けてもらいました。
そもそも3月3日は上巳の節句(通称 桃の節句)といい、五節句と呼ばれる季節の節目を指す日の一つです。
元々は稲作が始まるにあたり、田の神様を迎えるため、お供えをして草や藁などに自らの罪穢れを移して水に流し祓う行事でした。
それが、いつしか大陸の文化も混ざりながら、平安時代の宮中では人の形を模した人形(ひとがた)と呼ばれる物に災厄を移し、曲水の宴といった場で「流し雛」というような形で行われるようになりました。
その流し雛も時代の変遷を重ね、江戸時代になっていくと、川へ流す不便や精巧な人形が作られるようになったことから、飾り人形としての様式が強くなっていきました。
ただ、そのような変化があっても、嫁入り道具として雛飾り人形を女性に持たせるようにしていたのは、家を離れても人形に災厄を移して身の息災を祈る家族の思いからで、その形式は変われども、祓いの性質は変わりませんでした。
ですから、今日でも片付け忘れると婚期が遅れるという伝えがあるのは、理由の一つに雛人形に移した災厄を残したままにしていると、災いが降りかかるといった意味から生まれたものでもあります。
そのようなことを、ご祈祷後に廣田神社の由緒説明と共に、外国人を始めボランティアの方々にもお話をして、神職の龍笛による雅楽演奏や童謡「ふるさと」などを吹いて日本の伝統音楽を聴いてもらいました。
その後はボランティア協会さんが主導となり、ご持参された雛飾りをみんなで飾り、色彩豊かな食材を使用しての巻きずし体験をして昼食を頂いたようです。
神社としても、外国人や地域の方々にこういった日本文化を体験して感じてもらえる機会となり、大変良い経験となりました。
是非、こういった日本文化を伝承する体験などをしたい団体がありましたら気軽に神職までご相談ください。
尚、写真は参加者である扇野勝さんよりお借りしました。ありがとうございました。