塩越稲荷神社の例祭並び海上運航が執り行われました。
2014.9.7 -[社務日誌]
外ヶ浜町平舘塩越地区に鎮座する塩越稲荷神社の例祭が行われました。
この秋に行われる例祭では、海上に出て安全と大漁を祈願する海上運航という神事が行われています。
もともとは9月10日が例祭日でしたが、平日での開催が困難という事で9月第一日曜日に変更されて行われていました。
しかし、平舘に荒ぶヤマセ(東風)は9月第一週目まで吹き付けるのが例年であるため、神事日を変更してからはほとんど海へ出られず、港の小屋で行なっていました。
今年は7日と遅い日にちであったため、先日まで吹き荒んでいたヤマセが嘘のように止み、海は凪いており真夏のような青空と日差しの良い天気となりました。
遮るものは何もないため、日差しがじりじりと肌を焦がし、海の照り返しに目が明けられないような天気でしたが、時折吹く爽やかな風がとても気持ちよかったです。
海上運航は氏子代表の漁船に祭壇を組んで大漁旗を掲げ、出航する前に海上安全、大漁満足の神事をします。
自治会長はじめ、漁師等が玉串を捧げ神事終了後に出航します。
その代表の船に続いて、一斉に大漁旗を靡かせた他の漁船が後ろに付き、塩越地区の領海である四か所を順に回り、その各所で大麻祓い並び切麻祓いを神職がした後、氏子等によって米、酒、塩、水が海に供されます。
その移動中も氏子が太鼓を鳴らし続けて神様の御神威を高めていきます。
全て終了すると全船が港に向かって一斉に白波を立てて帰っていく姿は大変勇ましく格好いい光景で、漁師達も喜びにあふれて戻っていきます。
その後、塩越稲荷神社へ移動し、海へ出る漁師たちの無事帰還を祈るために女子等によって祀られた末社の龍神宮のお宮にて女性だけ参列して神事が行われました。
現代においても、自然の恵みを得ることは容易ではなく、危険なことも沢山あるため、皆さん懇ろに手を合わせて祈っておりました。
そして、終了後に塩越稲荷神社で例祭が行われました。
漁師等の大漁旗が神前に供えられ、一年の感謝とこれからの多幸を一人ひとり祈念しました。
塩越地区の漁はほぼすべてがホタテの養殖業ですが、今年はヤマセが例年よりも長く、10日以上伸びてしまったために大幅に作業が遅れている上、あまりホタテの状態も良くないため、皆さん大変だそうです。
しかし、今年数年ぶりに海上運航できたことに大変喜んでおり、活気もひとしおでした。
終了後は公民館に移り直会となりましたが、漁師の町らしく賑やかで話の絶えない会となりました。
日にちを変えてから海上運航が殆んど出来なくなったこともあり、本来の例祭日である9月10日に戻したいという声も沢山挙がっています。
是非、そのような形に戻ることを期待しております。
氏子総代皆様の益々のご健勝、ご多幸を祈念申し上げます。