青森県神社庁被災地視察旅行に参加しました。
2014.9.25 -[社務日誌]
24日~25日まで青森県神社庁主催による被災地視察旅行が行われ、岩手県並び宮城県まで行ってきました。
東日本大震災より3年余りが経過し、現在どこまで復興がされているのか、また、自分たちの支援がどのように行き届いているのかなど、様々な現状をしっかりと把握するべく視察旅行が行われました。
今回の企画は、宮司も務める青森県神社庁教化委員会が主導したもので、幾度も行程などを吟味して計画が立てられました。
早朝よりバスで出発し、神職総代合わせて16名を乗せてまずは陸前高田市に向かいました。
沿岸部は以前来た時よりも遥かに嵩上げの工事が進んでおり、刻々と進んでいる様子が見て取れました。
巨大な土砂を運ぶベルトコンベアも建設され、これまで以上に工事が早く進むそうです。
陸前高田市の山手にはいる場所に鎮座している月山神社へお参りをさせて頂きました。
比較的大きな被災を免れたため、決して広い境内ではありませんが当時、400人を超える避難者が押し寄せ、対応をしていたそうです。
忙しい中にも関わらず、丁寧にお話頂きました。
境内の前と横では嵩上げをして宅地工事を進める業者のトラックがひっきりなしに行き交っていました。
その粉塵が毎日神社に積もり、掃除するだけでも苦労しているそうです。
すでに、此の周辺の造成された宅地に戻ってくる予定の市民がいるそうですが、それでも3分の1も戻ってくればいい方だろうと話していました。
続いて宮城県気仙沼市へ向かいました。
途中も陸前高田市と同様にあちこち嵩上げの造成がされていて、終始作業用車が往来していました。
気仙沼市では気仙沼復興商店街、南町紫市場へ寄りました。
ここは、被災した南町地区に仮設店舗を設けて商店街をつくり、復興を目指している場所です。
とても充実した商店街で、衣食住、あらゆる店舗が揃い、働いている方々もとても愛想よく快く迎えてくださいました。
その後、松島まで向かい一日目が終了しました。
昨夜からの台風の影響による大雨で行程が心配されましたが、次の目的地である石巻市、日和山公園頂上に鎮座する鹿島御児神社へ向かう頃には、風は強いものの、雨が止んでいました。
日和山公園は石巻市沿岸部を一望できる有名な景勝地で、鳥居の先には海が広がっていました。
その目前にある陸地は一見何もないような開けた土地に見えましたが、被災するまでは1000世帯近く、人が住んでいた住宅地だったそうです。
鹿島御児神社では正式参拝をさせて頂きました。
宮司さん、禰宜さん、奥様もわざわざお迎え頂いて、被災当時の状況や現状など詳しく説明頂きました。
数百年も経つ本殿は傾いてしまったために取り壊すことになってしまい、拝殿も一見異常がないように見えて大きな修繕が必要なほど、傷んでしまっているそうです。
加えて、氏子さんがほぼ津波の被害に遭ったうえに、同じ場所へと帰ってこられる見込みも少ないため、神社修理の目途は全く立っていないそうです。
被災当時、あらゆる人々が日和山を登って神社へ来られたそうで、想像を絶する大変さであったそうです。
そのような過酷な中でも、神職としての役目を果たすべく一生懸命、氏子さん方へご奉仕尽くされたそうです。
目の前に広がる大海原に雄大な偉大さと全てを飲み込む怖さを感じながらの視察でした。
最後は日本三大稲荷にも数えられている竹駒神社へ向かいました。
竹駒神社でも沿岸地域ほどではありませんが、地震の影響が多くあったそうです。
しかし、神職はじめ、崇敬者の皆さんによって現在は平常にもどっているそうです。
竹駒神社では正式参拝をしました。
平成2年に極左の過激派による爆弾テロによって社殿が大破されましたが、崇敬者の篤い浄財で平成6年に再建することが出来たそうです。
圧倒されるほど大きな社殿は木の香りがまだ残っており、秋の大祭前にも関わらず宮司さんをはじめ、職員一同で御接待頂きました。
今回の視察は何か直接的な支援をするためのものではありませんでしたが、改めて風化させてはいけない現状と、被災地の県だけではなく、国全体がしっかりと手を施していかなくてはいけないのだと改めて強く感じました。
また、神社は50社近く被災するなかで、まだ10社近くしか再建出来ていない状況も、同じ神職として、これからも積極的に協力していかなければならないと思いました。