塩越稲荷神社の例祭並び海上運航が執り行われました。
2015.9.7 -[社務日誌]
8月6日に外ヶ浜町平舘塩越地区に鎮座する塩越稲荷神社の例祭が行われました。
塩越稲荷神社の例祭では海上に出て安全と大漁を祈願する海上運航という神事が行われています。
朝方までは稀に見るほど穏やかな海で凪いでいたそうですが、時間が経つにつれて東風(ヤマセ)が吹き荒び波が立ってきたため、神事のみで海上に出るのが危ぶまれましたが、氏子さんの願いで神事予定時間を早めて行うことしました。
波は高くなっていましたが、出られない状態ではなかったため、船上にて海上安全・大漁満足の祈願をした後、出航しました。
今年の船主は「虎丸」で、波を突き進みながら塩越地区の海上を数箇所まわって祓い清めると共に、米、酒、塩、水を海へ散供しました。
船主が海へ繰り出すと、続いて次々と漁師さん方が海へ船を走らせ、5、6艘が連なって国旗と大漁旗をなびかせていました。
終始氏子さんが叩く太鼓の音を海中に響かせながら船を引き連れて安全と大漁を願う様は大変に勇壮でした。
ここ数十年、ほとんど海上運航が出来なかったものの、昨年、今年と神事が執り行えたことに皆さん非常に喜んでいました。
海上運航後は塩越稲荷神社の末社の龍神宮にて漁師の奥さんである老婦人会の方々がお世話して神事が執り行われました。
この龍神宮は海へ繰り出す父や夫の帰りを待つ女性が、無事に戻って来てほしいと祈ったことから創建され、現在も女性によって信仰が守られています。
龍神宮での神事が終わると、最後に氏神さまの塩越稲荷神社の例祭が執り行われます。
今年も多くの氏子さんが参列され、今年の豊漁の感謝と共に来年の大漁安全を玉串に込めて奉納しました。
神事終了後は場所を公民館に移して直会となりました。
本年はここ数十年でも最高のホタテの質だけではなく、量も多く、更に値段も高値がついたため非常に皆さん喜んでいました。
4、5年前の猛暑により壊滅的にホタテが大量死してしまった頃から、ようやくここまで戻ってきたからこそ、皆さん思いも一入でした。
更に今年は奇跡的に8月中に2、3回しか東風(ヤマセ)が吹かなかったため、お盆前には出荷作業を終わらせることができ、例年になく順調に仕事が進んだそうです。
そのため、婦人会の皆さんも時間的余裕が出来、毎日、直会で皆を楽しませるためにダンスの練習に繰り出していたそうです。
レパトートリーも5種類以上あり、笑わせるものも多く、一緒にダンスしたり、煽ったりと終始、会場中が笑いに包まれました。
村の総会と神社の直会だけが一堂に揃う場になりますが、大漁のお蔭で、最高の参加者となり楽しい時を過ごす事が出来ました。
来年も佳き年となるよう氏子総代皆様の益々のご健勝、ご多幸を祈念申し上げます。