新嘗祭が執り行われました。
2015.11.26 -[社務日誌]
平成27年11月23日に廣田神社の新嘗祭(にいなめさい)が取り行われました。
現在、11月23日は「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」、勤労感謝の日という祝日になっていますが、もとは収穫の感謝を喜び新穀を神様に捧げる新嘗祭という祭日でありました。
そのため、全国の神社ではこの新嘗祭が執り行われ、五穀豊穣の営みに感謝の儀を尽くしています。
また、宮中では天神地祇(諸々の神様)が祀られる神嘉殿において、収穫された新米と新粟ほかを捧げて天皇陛下みずから祭祀を取り行い、八百万の神々のもとで国と民とが一体となる最大の祭を体現されています。
命を戴き自らの命とする。
生きる上で必要な営みに感謝をするという事は至極当たり前のことであり、そして最も忘れてはならない大切な事です。
その祈りが連綿と紡がれ、今年も滞りなく執り行う事が出来ました。
今年は8月に発足した舞姫会による初めての巫女舞の奉納となりました。
毎週金曜日の夕方から稽古を重ね、少ない時間ながらも日々成長していく姿は大変頼もしいものでした。
限られた時間の中でも舞だけを教えるのではなく、日本の文化や生活の中における礼儀作法などといったものも指導してきました。
神社で習うからこそ教えられることも沢山あります。
そのようなことも含めて心身に沁みつかせることで、技術だけでは表現できない舞の美しさや優雅さがより際立ちます。
最後の稽古ではみんな緊張して練習していたものの、本番が楽しみと口々にいっていました。
今日も朝早く集合し親御さんに着付けをしてもらい準備をしました。
この時期は天候が悪いことが多いため、これまで新嘗祭では参進をしていませんでしたが、今回は舞姫を含めて参進することにしました。
参進は一度しか練習していませんでしたが、心静かにゆっくりと歩きながらしっかりと綺麗に列を組んでいました。
舞姫のお蔭を以てか、ここ数年で一番多い参列者で、はじめてのお祭りの雰囲気に舞姫たちもとても緊張していました。
玉串拝礼も総代さん達と遜色ないほど丁寧にしっかりと行っていました。
その後、いよいよ舞の奉納となりました。
奉納する舞は祭祀舞の「豊栄の舞(とよさかのまい)」です。
いざ舞がはじまると程よい緊張に力を入れ過ぎず、かといってダラケ過ぎることなくとても綺麗な動きをしていました。
これまでつっかえていた箇所もこれまでの稽古が嘘のように出来ていました。
驚くほど本番に強く、これまで見てきた舞の中で一番上手な舞となりました。
舞が終わると思わず参列者の方から拍手が送られ、舞姫たちも盛大に称えらたことにとても嬉しそうに戻っていきました。
それでも神事が終わる最後まで緊張を途切れさせることなく、立派に参列していました。
今年から神前に供えた新米と塩と御神札も参列された方に授けました。
緊張がほどけた舞姫たちはとっても素敵な笑顔で溢れていました。
はじめての舞で、尚且つほとんど稽古を積めない中で、これだけの奉仕が出来たことに驚きを隠せませんでしたが、これまで真面目に一生懸命取り組んできた成果が正しく本番で出た結果でした。
会館へ戻る途中、参列していた衆議院議員の津島淳さんとお会いし、普段お会いできない政治家さんに握手を求めてとても喜んでいました。
神事終了後は恒例の神道講座を開催しました。
今回は舞姫達の巫女舞の奉納があったということで、「神楽」についてお話しました。
毎年、例大祭では津軽神楽が奉納されていますが、いざ神楽と言っても非常に多様で広範囲なものであるため、神楽の由来や大まかな分類などを中心に紹介しました。
子供達も着替え終わった後に合流して一緒に勉強していました。
講座の終了後は直会となりました。
本日は衆議院議員の津島淳さん、参議院議員の山崎力さんに神事に参列いただきました。
祭典に引き続き、外ヶ浜町長の森内勇さん、青森県議会議員の高橋修一さん、青森県議会議員の花田えいすけさん、青森市議会議員の舘山善也さんには直会にも参加して頂きました。
皆さんにご挨拶を頂き、当神社責任役員の柳谷章二さんに乾杯の発声をしていただきました。
直会にも舞姫と親御さん達には一緒に参加して頂きました。
乾杯のあとに、舞姫達に名前と学年と舞姫の感想を皆の前でしてもらいました。
実は全く事前に自己紹介する予定を伝えず、わざと突然お願いしたのですが、臆することなくしっかりと元気に話してくれました。
これまでの活動を見ていて、このように突然お話させてもしっかりと自分の考えを話せると思い提案してみました。
それぞれ、ハキハキとしゃべる上にありきたりな感想ではなく、自分自身の言葉でしっかりと述べていたことに、参列している皆さんも一人終わる毎に感嘆の声を揚げながら大きな拍手が起こっていました。
それぞれ発表した中でも共通して話していたのは、「神様に感謝の気持ちを持って舞が出来た」とお話していたことでした。
今回の舞の本当の意味をしっかりと理解して舞っていたということに目頭が熱くなりました。
いずれにしても最後の最後まで立派に役目を務めあげました。
子供達の元気な声が響く、いつもとは違う雰囲気に総代さんや崇敬者の方も例年以上に非常に喜んでいました。
無事、新嘗祭を執り納めた事、そして舞姫が立派に巫女舞を奉納出来た事、共に素晴らしい形で神様にご奉仕することが叶いました。
来年も稔りある良き年となり、皇室の弥栄と国の繁栄、人々の安寧となりますことを祈念申し上げます。