夏越大祓式が執り行われました。
2016.7.5 -[社務日誌]
夏越大祓式(なごしのおおはらえしき)が執り行われました。
ここ最近天気も悪く風が強い日が続いていましたが、青空が広がり風もほとんど吹かない落ち着いた天候のもと行うことが出来ました。
大祓式は日常生活の中で知らぬ間についてしまった罪・穢れを半年に一度祓い清める神事で水無月(6月)と師走(12月)に行われている神事です。
大祓式は1,300年前にはすでに行われていたとされ、当時は大きな災いや重要な祭儀の時などに臨時で行なわれていたそうですが、後に恒例化するようになり現在では6月と12月に行われるようになりました。
特に水無月(6月晦日)の祓いは夏越の大祓式とも呼ばれ、茅の輪を作り、それをくぐることで心身の浄化を図る神事も併せて行われています。
全国の神社でも例外がありますが、6月30日には茅の輪をくぐって祓う夏越大祓式が盛大に行わています。
茅の輪をくぐるようになったのは、「備後国風土記」逸文の「蘇民将来(そみんしょうらい)」の物語に由来しており、スサノオノミコトが旅の途中に宿を求めたところ裕福な巨旦将来(こたんしょうらい)からは断られ、貧しい蘇民将来には手厚い加護を受けたこから、お礼に疫病退散をの茅の輪を授けたことで蘇民将来は助かったという古事をもとにして、現在では茅の輪をくぐることで心身を清らかにする神事となりました。
また、大祓式で特徴的なのは通常では神様に向けて感謝や願いの祝詞を奏上するのに対して、斎主が参列者を向いて祝詞を発する形になっています。
これは夏越大祓式で読み上げている「大祓詞」という祝詞が、もともとは神様の言葉を口にして発する宣読(せんどく)という宣る方式を採っているからで、現在では読み上げることで祓いをもたらす重要な祝詞としてあらゆる神事、生活の中のまつりで使用されています。
そのため、斎主に合わせて全員で大祓詞を唱えて祓いをし、切麻と大麻という祓えの神具をもって清めました。
その後、皆さんの罪穢れを吹き込めた人形(ひとかた)を唐櫃(からひつ)に納めて茅の輪くぐりを行いました。
昨年よりも多くの方に参列していただいたため、境内目一杯に行列を組んでゆったりと練り歩きました。
御神歌の「水無月の 夏越の祓ひ する人は 千歳の命延ぶというなり」を唱えながら歩くと何とも夏らしい雰囲気となりました。
廣田神社で行われるようになったのはまだ10年ほどですが、平日にもかかわらず老若男女集まって頂きました。
茅の輪くぐりの作法としては左、右、左と3回くぐって終了となります。
罪穢れが付いた人形は川や海に流して祓い清めることが多いですが、廣田神社では忌火を以て焼納して祓い清めています。
撤下した米、酒、塩、水を振りかけて更に清めてから焼納しました。
最後は宮司より大祓式の歴史や日常の祓いのお話をしました。
神事後は御神札や茅の輪お守りなどを参列者に授与して全て終了しました。
参列できなかった方のために茅の輪は7日早朝まで設置していますので、まだ茅の輪をくぐられていない方はぜひ参拝がてらお通り下さい。
浄く明るく直く正しき日常となりますよう祈念申し上げます。