進藤庄兵衛正次翁頌徳祭の神幸祭(御神輿・ねぶた渡御)を執り行いました。
2016.7.26 -[社務日誌]
平成28年7月17日に進藤庄兵衛正次翁頌徳祭(しんどうしょうべえまさつぐおきな)の神幸祭(御神輿・ねぶた渡御)を執り行いました。
毎年、青森開拓の一大恩人の遺徳を称える進藤庄兵衛正次翁頌徳祭が7月18日に行われていますが前夜祭として神幸祭が執り行われるようになり4年目となりました。
前夜祭並び神入祭 (頌徳祭を執り行う奉告と御神輿に御霊代をお遷しする祭り)
数年前の生誕400年の佳節にあたり進藤庄兵衛正次がまちづくりを行った青森が、300年経った今、どのような街になっているのかを見て頂きたいという思いから神幸祭を執り行い渡御することになりました。
頌徳祭ではないのですが、廣田神社では数百年前まで春秋に大祭が行われ、農民漁民が勢ぞろいして御旅所を設けて盛大に御神輿を渡御する神幸祭が行われていました。
しかし、度重なる飢餓飢饉などによりいつしか中断されてしまったため、恒例として御神輿の渡御が行われるのは恐らく数百年ぶりのこととなります。
雨の予報が続き、昨夜もしとしとと降ったりしていたため斎行が非常に難しい状況でしたが、前夜祭をはじめる頃には雨も止んだため執り行うことに決めました。
発輿祭並び参社 (出発するためのお祭りと参列者全員にて拝礼する神事)
ねぶたは協力団体からの借り物ということもあり、雨が止んだとはいえ雲が晴れたわけではないため、雨が降った状態では和紙が破ける恐れが高くなってしまうので非常に心配でした。
今回の神幸祭では昨年発足した舞姫会も出発前に巫女舞を奉納して一緒に渡御することになりました。
役員総代他、各協力団体の代表等が拝殿内に参列して前夜祭並び神入祭が厳粛に行われた後、御神輿を外に移動しました。
前夜祭並び神入祭では拝殿内の明かりを消して浄暗をつくり、本殿から御神輿へ「御」と呼ばれる御霊代をお遷ししました。
その間、警蹕とよばれる神職の「オーーーー」という厳粛な掛け声のみが響く中で行われ、張り詰めた空気となり参列者一同緊張の面持ちで参列していました。
外での準備が終わると出発するための発輿祭が行われました。
19時前に始まりましたがまだまだ空も明るく気温も高くないため晴れやかな気持ちで臨むことが出来ました。
出発前に参列する人全員を祓い、心も体も清めました。
今年も近所の子供たちが沢山集まり、ねぶたの浴衣の衣装に着飾っている子も多くみられました。
神事が進むに連れて薄っすらと暗くなり始め、雰囲気が出てきました。
出発の安全を祝詞に乗せて参列者全員で祈りました。
子供達も大人の見様見真似をしてしっかりと頭を下げて参列していました。
次に御神輿から更に金の御幣へと廣田大神、進藤庄兵衛正次翁の御霊を分けて各ねぶたの代表者に授けました。
受けた代表者達がねぶたの正面に御幣を取り付けて御霊を鎮めました。
その後、神幸祭を祝して頌徳祭神幸祭では今年が初めてとなる舞姫会による巫女舞、「豊栄舞」を奉奏しました。
宵宮に引き続き奉納となりましたが、今回は全員そろって舞うことが出来、舞姫達も力が入っていました。
今回も一人舞の10人での舞でしたが宵宮の時よりも各段に上手になっていました。
中には殆ど稽古に来られかった子もいたにも関わらずそれを感じさせないほどそろっていました。
初めて見る方も結構いたようで周りの人たちも熱心に観ていました。
緊張感漂う中、素晴らしい舞を奉納することが出来ました。
舞が終了したころにはすっかり暗くなり始め明かりが綺麗に映えてきました。
舞奉奏後は参加者全員で宮司に併せて拝礼をして神様に挨拶しました。
そしてお神酒を頒かちて恩頼を頂き乾杯しました。
子供達も出発にそわそわしはじめ賑やかになってきました。
乾杯後、御神輿、ねぶたのライトを付けていよいよ出発となりました。
今年もたくさんの人が集まり高揚してきました。
渡御 (御神輿やねぶたが氏子区域を練り歩く神事)
順路は昨年同様に長島周辺を1時間ほどかけて渡御しました。
暗雲が立ち込めていましたが囃子の大きな音で退けているようで雨も降らずに出発することが出来ました。
今年も囃子は例祭でも奉納演奏していただいている「龍鼓会(消防二分団・アサヒビール)」が演奏してくださいました。
さすが大型ねぶたの囃子方だけあって本番同様の迫力ある音色に早速周辺の人たちが沿道に出始めていました。
やはりこのねぶたの音色は青森市民にとって夏を彷彿させて思い出させるようで夏が来た喜んでいる方もいました。
御神輿もライトアップされるとより一層存在感が増し、ねぶたにも劣らずに目立っていました。
例年附祭りとして一緒に運行している古川地域ねぶたは周年の事業でこれまで使用していたねぶたから一回り大きいねぶたになり、見る人々の目を奪っていました。
庄兵衛ねぶたは、毎年正月に干支ねぶたを奉納してくださる穴水さんの鶴ヶ坂で使用しているねぶたが運行され、長島小学校親父の会の大人や子供達が手伝ってくれました。
導きの神様である猿田彦大神はその容姿から例年通り大人気でいろんな方が注目していました。
「らっせらー」の掛け声も遠くまで響いて街を賑わしていました。
ねぶたも扇子持ちに誘導されて縦横無尽に動いて沿道の人を楽しませていました。
巫女の装束をまとった舞姫の姿も見るのが珍しいからか沿道から「可愛い」などの声がかけられていました。
すっかり辺りも暗くなり幻想的な雰囲気に包まれていました。
雨も時折降っていましたが霧雨のような雨で全く問題なく運行されました。
古川地域ねぶたは昨年のように小回りは効かないものの、大きくなった分広い道路では勇壮な姿を名一杯に駆け巡っていました。
跳人の子供達も最後まで元気よく声を出していました。
裃姿もとても人気で時折声を掛けれていました。
1,000円以上納めて頂いた方には権現様が噛んで無病息災を祈願して御神札と記念のタオルを渡しています。
宮帰り(無事神社へ戻った事を全員にて拝礼して奉告する神事)
権現様も相変わらず大人気で、縦横無尽にお花(奉納金)を納めて頂いた方のもとへ向かい、神職の祓いと共に頭を咬んで無病息災の祈願をして回りました。
最後数百メートルのところで雨が多少強くなってきましたが運行に支障が出るほどではなかったため、今年も無事にすべての行程を終えることが出来ました。
最後に再び戻ってこられた挨拶を神様にするため宮司に合わせて拝礼しました。
結果、中止になるような雨に降られることもなく何よりでした。
終了後は一般の方は解散となり子供たちはお下がりのお菓子セットをもらって帰りました。
神出祭 (御神輿にお遷しした御霊代を本殿にお遷りになるお祭り)
最後、御神輿にお鎮まり頂いた「御」を本殿に戻すための神出祭を関係者が揃って行われました。
今回、折角の機会なので舞姫と親御さんたちにも参列してもらい厳粛なお祭りを体感してもらいました。
先ほどまで沢山動いていたお祭りと打って変わって静清な雰囲気に変わりました。
全てを祓い清めたあと明かりを消して「御」を本殿にお遷ししました。
神妙で厳かな神事に舞姫達の子供達もとても緊張して参列していました。
無事お遷り頂きすべての祭事が滞りなく終了しました。
4年目にして雨の予報で中止が危ぶまれましたが、り雨に降られることもなく斎行できたのは御神恩によるものでした。
また、多くの方が進藤庄兵衛正次翁の御神徳を広げるためにご奉仕くださったお蔭のたまものと思っています。
ご奉仕してくださった方にも御神札と記念タオルを渡しました。
夏最後の奉納を迎えた舞姫達も疲れた顔をしながらも清々しい顔つきでした。
小直会 (神人供食という考えのもと神様へお供えされた御神酒などを頂戴する神事)
例年であれば外でしたが雨が強く降り始めたため会館内で喉を潤しました。
舞姫達もおにぎりやおつまみを食べて楽しく休憩して解散となりました。
氏子区域は広いため全て回れていないのですが、徐々に年数を掛けてすべての氏子区域を渡御できるようにしたいと思います。
皆様お疲れ様でした。