八甲田山高田大岳山頂奥宮を調査しました。
2018.10.19 -[社務日誌]
平成30年10月8日に八甲田山高田大岳山頂奥宮を調査しました。
今回、八甲田山連峰の一つ高田大岳の山頂に鎮座する奥宮を調査することになったのは、旧青森市史の社寺編にて記載されている八甲田山神社という神社の宮司を先々代の宮司が兼務していたことから始まりました。
それと共に、その八甲田山神社の縁起が版画で記された屏風が当神社に保管されていたことから、少しずつ関連を調べていました。
その八甲田山神社の縁起の中に登場する奥宮が、八甲田大岳山頂の祠かもしくは高田大岳、それか両方だという可能性があり、そのことを色んな方へ聞き取りや相談をしていたところ、パラオ共和国の慰霊祭で一緒にいった十和田山岳振興協議会の方が案内してくださることになりました。
十和田山岳振興協議会の方はこれまで藪化していた八甲田山高田大岳山頂と谷地温泉を結ぶ平成28年から県の委託事業として登山道を整備され山の振興に寄与する中で、高田大岳山頂の祠が荒廃していたことを非常に憂いていたそうです。
そのこともあり、快く、今回の調査に同行して頂けました。
今回は酸ヶ湯温泉駐車場にある八甲田山神社の社号標が建っている登山道から仙人岱~仙人岱ヒュッテ~小岳~高田大岳~谷内温泉のルートを通って歩きました。
前日までの台風の影響で天気が心配されましたが、雨に降られることもなく、曇ってはいたものの風もあまり強くなかったため決行できました。
ただ、昨年は10月10日に雪を観測した前例がある通り、街より想像以上に寒く、体が温まるまでは防寒をしっかりとしていきました。
そのようなこともあって雲で雄大な景色を見ることが途中まで叶いませんでしたが、小岳の山頂に着いた際に強い風が吹き、視界が急に開け八甲田の山々を一望することが出来ました。
その美しさに元気をもらい、今回の目的地である八甲田山高田大岳山頂の祠へと向かいました。
途中から青空が広がるような時もあるほど天気が回復し、きつい工程ですが、素晴らしい景色の中、歩いていくことが出来ました。
すると、高田大岳の山頂は微妙に2又に分かれているのですが一つ目の山頂を登りきると眼前に空と山とが一体となった中心に祠が浮かんでいるのが見えてきました。
あまりの雄大な自然の中に渾然と建つ神々しい祠の存在感に息を呑んでしばらく見入ってしまう素晴らしい景色でした。
そこから少し歩くと祠が見え参拝しました。
実物はインターネット等でアップされている写真よりも遥かに朽ちていて、あまりにも無残で悲惨な状況でした。
それでも何とか祠の形を保ち、扉と思われるところには多くのお賽銭がお供えされていました。
この光景を見て、より一層、再建修理を進め八甲田山に鎮まる神霊の御神威が広く伝わるようにとの思いが強くなりました。
青森県民だけではなく、全国からも慕われ敬われる八甲田山の進行を守っていきたいと思います。
来年度中の再建修理を目途に進めていきたいと思います。
十和田山岳振興協議会の皆さまありがとうございました。