パラオ共和国対談講話会の教養講座を開催しました。
2019.8.19 -[社務日誌]
令和元年8月11日にパラオ共和国対談講話会の教養講座を開催しました。
教養講座とは神社を通して日本文化や郷土文化に触れて楽しんでもらおうという趣旨で様々なテーマで開催している講座です。
久し振りの開催になってしまいましたが、今回は「パラオ共和国講話対談会」ということで、毎年パラオ共和国へ戦没者の慰霊祭へ渡り様々な活動をしているお話しをすることにしました。
お招きしたのは、毎年宮司がパラオ共和国へ慰霊祭に向かう始まりとなった、天皇陛下、皇后陛下がパラオ共和国へ御慰霊に遊ばされた際の奉迎手旗をお祓いしたきっかけをくださった、元第14師団ペリリュー島戦車隊遺族会青森分会事務局の横浜愼一さんです。
横浜さんは十和田市でアウトドアショップを経営され、県内の観光アドバイザーなどもされている方ですが、昔、山岳振興と環境保護の団体間で八甲田山の自然環境を巡る争いがあった際、ツアーガイドとして自身の意見を固めるため、八甲田山とは一体どんな場所なのかを調べてくうちに、パラオ共和国へと繋がり、現在は遺骨収集や戦跡の保護活動をされるようになりました。
その内容を写真や詳しい資料などを使いながらお話し頂きました。
8月15日の終戦記念日を迎える前に帰省されている方に、なぜ青森の人々がパラオに渡ったのか、そしてそのパラオで起きた戦禍はどのようなもので、現在どうなり、そして将来どうしていかなければならないのかを、今一度考えて欲しいとの横浜さんの想いを受けてお盆連休の初日となる今日の開催となりました。
告知はほぼ出来ず、しかも連休初日にも関わらず20名を超える方々にお集まり頂きました。
横浜さんはアメリカ公文書図書館まで調べにいったり、全国津々浦々、当時を知る方々のところまで足を運んだり、ジャーナリスト顔負けな程の圧倒的な情報量と行動力で活動しているため、説明される内容の厚さも説得力もすさまじく、聴きにこられた方々も圧倒されていました。
宮司も何度もお話しを聴いていますが、いつきいてもその凄まじい行動力に驚かされます。
90分の講話予定でしたがあまりにも濃い内容に、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
続いて横浜さんと宮司の対談となり、パラオ共和国に行くきっかけや、現地のガイドとして協力してくれるようになったケルビンとの出会いのお話しなどさせて頂きました。
また、会場には補充部隊の戦車を発見した際に一緒に同行して、記事に纏めてくださった読売新聞の齋藤孔成さんがきていたため、紹介させて頂きました。
更に昨年、一緒に同行した青森県議会議員の工藤慎康さんも来られていたため、パラオ共和国との友好を通して交流が深まっていることなども説明頂きました。
充実した内容に30分以上延長してしまいましたが、それでも皆さん最後まで残って聞いて下さいました。
今年もパラオ共和国に渡り、更なる戦跡保存や遺骨収集が早期に進むよう渡航する予定です。
このお話しはまた、機会を設けて開催していきたいと思います。
先人の想い、残したものに感謝し、今一度、戦争について考えて欲しいと思います。