大嘗祭奉祝祭が執り行われました。
2019.11.26 -[社務日誌]
令和元年11月17日に大嘗祭奉祝祭が執り行われました。
大嘗祭奉祝祭
天皇陛下御即位の御一大に一度の重儀である大嘗祭が11月14日、15日に宮中の大嘗宮にて斎行されます。
それに伴い当神社でも奉祝行事を開催しました。
大嘗祭では斎田定点の儀の亀卜(きぼく)という古式の占いによって選定された悠紀田、主基田より刈り取られた新穀を、天皇陛下御自らがお供えし、天照大御神様をはじめとする天神地祇に御告文を奏されて、そのお供えものを陛下御自らもお召し上がりになります。
宮中では秋になると新穀の豊穣を感謝する新嘗祭を執り行っていますが、この大嘗祭は天皇御一代に一度行われる新嘗祭に替わる祭祀で、御位につかれるうえで不可欠なものであり、数ある祭祀の中で最高の重儀とされています。
また、この神事が行われる大嘗宮は皇居敷地内に造営され、古代の工法そのままの簡単な造りで、「悠紀殿」、「主基殿」を中心とした大小約30棟の木造平屋から構成されています。
しかしながら、この大嘗宮はあくまで大嘗祭のための仮設であるため儀礼後には全て取り壊してしまいます。
宮中にて毎年11月23日に斎行されている新嘗祭は、大嘗祭となるため当該年の新嘗祭は執り行われない事にっています。
それに倣い、全国の神社でも大嘗祭が行われる年には新嘗祭を行わないことになっています。
(但し、神社によってはこれまで斎行してきた新嘗祭も諸祭として斎行する場合はあります。)
これは大正4年7月5日の勅令第百九号で『大嘗祭を行ふ年には官国幣社以下神社に於て新嘗祭を行はず大嘗祭当日祭祀を行ふ其の祭祀は大祭とす』とされたことから由来しています。
したがって当神社では大嘗祭終了後に奉祝祭として斎行することにしました。
当日祭として大嘗祭が執り行われる14日か15日に行われることが多いですが、当神社においてはより多くの氏子崇敬者と共に祈りを捧げるため、17日の日曜日に斎行することに決定しました。
そのため、大嘗祭奉祝祭では氏子崇敬者だけではなく、一般の方々も参列できるように呼びかけました。
そうしたところ、60名近い方々にご参集いただきました。
また、大嘗祭では悠紀殿、主基殿にお供えされる稲の他に全国からも庭積机代物としてお米が献上されます。
今回の大嘗祭において青森県より献上したお米は青森市で農家を営む山田ふぁーむさんが丹精込めて育てたお米ということで、ご招待したところご参列くだいさました。
そして当神社の新嘗祭では恒例となった舞姫会による巫女舞の奉納も行われました。
今年は過去最大の人数ということで11人で「豊栄舞」を舞いました。
全員そろって稽古ができることは中々ありませんでしたが、そのような状況にあっても一糸乱れずとても美しく舞っていました。
この大嘗祭での奉納で同じメンバーで舞う最後となるため、一同真剣に祈りを込めた表情もしていました。
天皇陛下が一世一代に一度限り行われる国民統合の儀礼儀式である大嘗祭が滞りなく執り納められたその奉祝の念を参列者一同共にしてお祈りいたしました。
そして、五穀豊穣で迎えれた感謝の念も併せてお祈りいたしました。
最後には宮司より感謝の挨拶を述べて滞りなく終了いたしました。
神事後、奉祝を記念して参列者全員で記念撮影をしました。
大嘗祭奉祝祭インタビュー
神事には沢山のマスメディアの取材があり、舞姫達が取材を受けていました。
大人顔負けにとても立派に受け答えをしていました。
神道講座
新嘗祭では恒例となっている神道講座は御代替りに合わせた演題としました。
「神話に継ぐ御代替り」ということで、なぜ様々な儀式が行われるのか、そこにはどんな意味があるのかなどを、神話から続く連綿とした歴史上の儀式だということをお話ししました。
テレビや新聞などで沢山報道されてはいるものの、残念ながらその意義や意味を説明しているものはほとんどないため、その大事な部分を紹介しました。
舞姫会では神話の勉強もしているため、その内容もよくわかるようで、大人の方々もあらためてこの御代替りの大切さを感じてもらえました。
大嘗祭記念限定御朱印
今回の大嘗祭を奉祝して記念の御朱印が11月14日~17日まで頒布されましたが、連日沢山の方にお受けいただきました。
米粟おむすび頒布
大嘗祭には米だけではなく、粟も共に捧げられます。
そのお供えは天皇陛下御自ら献ぜられ、その後、皇祖神である天照大御神をはじめ天神地祇の神々とお召し上がりになられます。
それに倣い、当神社でも当県から献上された山田ふぁーむさんのお米と十和田市産の粟をまぜたおむすびを限定100名の方に配布しました。
配布する12時にはすでに50人近い方が列をなして、あっという間になくなりました。
直会
直会では先ずはじめに春に神社本庁より敬神功労賞を受賞された総代長の工藤健二さんに賞状の伝達をしました。
それから改めて宮司より大嘗祭奉祝の挨拶が述べられ、続いて元参議院議員の山崎力先生、そして青森市議会議員の舘山善也先生より祝辞を戴きました。
続いて、今回青森県からお米を献上した山田ふぁーむさんの山田正樹さんからもお米について説明して頂きました。
一般の方々に配布したおむすびも、直会で用意したおむすびも、山田ふぁーむさんのお米を使った特製のものを準備しました。
乾杯の発声は敬神功労賞を受賞された総代長の音頭にて声高らかに行われました。
大嘗祭を奉祝する記念として、直会の料理も、日頃親しくお参りされてい、畑のキッチンさんに依頼をして、庭積机代物として献上された青森県の特産物を使用した特別なお弁当を用意しました。
青森県の献上品である、ほたて貝柱、鮭の燻製、りんご、ながいも、ごぼうの他、県内の野菜をふんだんに使用したお弁当になっていました。
また、同じく畑のキッチンさんに作って頂いた米粟おむすびも一緒に頬張りながら、皆さんとても美味しそうに食べていました。
とても食べやすい味付けに舞姫の子供達も口いっぱいに頬張って食べていました。
神人供食という神道にとって、とても重要な意味を持つこの儀式を皆さんにも体感してもらえました。
今年から不定期でご奉仕頂いている助勤の神職さんも初めて当神社の大祭奉仕をしたため、皆さんに自己紹介してもらいました。
その後は恒例の舞姫会の自己紹介となりました。
これまでで最大の人数となった舞も、無事に滞りなく終えることが出来たので明るい表情になっていました。
名前と学校名、学年、そして今日舞った感想を一人ずつ述べてもらいました。
とても立派な感想に参列者の皆さんも驚いていました。
一世一代の大嘗祭を皆で奉祝すべき様々なものを企画しましたが、大変好評を得て今一度我が国の悠久の歴史と伝統を感じてもらうことが出来ました。
令和の御代が益々と栄えていくことを皆さんで祈りながら無事終了しました。
天皇陛下の大御心いただきて睦び和らぎ、国の隆昌と世界の共存共栄とを祈り奉祝の念を捧げたいと思います。