じゃんばら大注連縄が奉納されました。
2019.12.11 -[社務日誌]
令和元年12月7日に廣田神社敬神会より”じゃんばら大注連縄(おおしめなわ)”が奉納されました。
このじゃんばら大注連縄は、廣田神社の崇敬団体である「敬神会(けいしんかい)」が、3年に一度奉納され、平成13年に掲げて以来、今回で6回目を迎えました。
この幾何学模様をした暖簾のような注連縄は津軽地方に伝わる特有の注連縄様式で、「邪を祓う」から言葉が転化し、じゃんばらや、じゃばらといった呼び名となったそうです。
元々廣田神社には注連縄が掲げられていませんでしたが、今から十数年前、三厩より参拝に来た子供が手水を済ませて神殿前の鈴を鳴らした所、突然、紐から外れて大怪我をしてしまいました。
後日お見舞いに行くと、何かに怯えているような口調で神社の周りに不吉な悪霊がいると騒ぎ出したため、急遽神社にて祓い清めの神事を行いました。
更に、二度と不吉な禍いが神社へ入り込むことが無いようにと宮司が兼務している瀬戸子八幡宮の氏子に依頼し、【邪祓(じゃばらい)】を語源とする“じゃんばら型”の大注連縄を作ってもらい神社に掲げたところ、暫くして子供も健やかに立ち返りました。
以来、不吉な事も無く、大注連縄をくぐりお参りすると、その複雑な文様で災いを絡め取り、浄化して心身が祓われると言われるようになり、それから3年に一度奉納されるようになりました。
第4回までは瀬戸子八幡宮の総代さん方が注連縄を作ってくださっていましたが、製作者の高齢化等により作ることが叶わず、第5回からは同じくじゃんばら大注連縄を製作して奉納している細越大年縄保存会の皆さんにご縁あって製作していただけることになりました。
しかし、平成25年に奉納された前回の第5回以来、細越大年縄保存会さんも高齢化や技術者の減少により再び製作していただくのが困難となっていました。
そうしたところ、今回令和の御代替りの佳節ということで、ご苦労いただきまして6年振りに奉納できることとなりました。
製作するにあたっては、前回のものよりも素晴らしい注連縄にしたいと、何度も社殿を測量されてより雰囲気に合った形にしてくださいました。
また、じゃんばらの上部にも立派な注連縄を張ってくださり、より重厚感のあるものになりました。
昨日はひざ下まで積もるほどの大雪だったため天候が心配されましたが、一転、青空見事に広がる晴天の中、奉納することが出来ました。
およそ横5m、高さ2.4m程の巨大な注連縄のため、先ずは足場を組んで古い注連縄を取り外しました。
その後、お山参詣保存会東青支部の方々の演奏と共に、新しい注連縄が取り付けられました。
一面青空広がる良い天気に登山ばやしの音が響き、とても清涼な雰囲気となりました。
また今回も金生稲荷神社並び八大龍神宮の注連縄も交換してくださることになりましたが、こちらも前回よりも良いものをということで様々工夫され、社殿をより荘厳にする立派な注連縄が掛かりました。
使用された藁は凡そ一反歩(300坪)だそうで、青森県が誇る特A米の青天の霹靂を使用して述べ150人近くが田植え、刈込み、注連縄奉製までかかわり製作してくださったそうです。
掲新しい藁はやはりとても生き生きとして発色が綺麗で、古いものを見比べてみると、毎日見ていると気付かなかった色の違いもはっきりしていました。
また藁の性質もあり年数と共に注連縄が下がって垂れていくのですが、6年前の奉納された時と、今回外す直前のとを見比べると数十センチも違いがあり年数の経過を感じました。
新しく取り付けた後は関係者全員で記念の集合写真を撮影して、お山参詣保存会東青支部さんによる奉納演奏が行われました。
真新しくなった大注連縄の輝きに加え、心に響く登山ばやしの音に、道行く人々も足をとめて見入っていました。
素晴らしい天気での奉納に敬神会の皆さんも非常に喜んでいました。
続いて昇殿して、じゃんばら大注連縄奉納奉告祭を執り行いました。
無事に作業が完了した感謝と奉納させていただく念を玉串に込めて、それぞれの団体代表にあわせて拝礼しました。
令和の御代替りの佳き日に奉納できたことが一層皆さんにとっても印象深く、誇らしくありました。
最後にはそれぞれの注連縄を直接祓い清めましたが、金生稲荷神社前で執り行おうとした瞬間大きな白いさ鷺が龍神様の神池から飛びたっていき、参列者一同、神様の使いが来られたと喜んでいました。
各団体の代表と共に一社一社丁寧にお祓いしました。
陽射しに雪が反射してキラキラと境内がとても美しくなっていました。
全て無事執り行われたところで、直会の開催となりました。
先ずは宮司より奉納いただいた御礼と、6年振りに製作してくださった感謝の挨拶をしました。
続いて敬神会顧問の津島淳衆議院議員から祝辞をいただき、乾杯の発声となりました。
滞りなく奉納できた喜びに声高らかに皆さん唱和して御神酒をいただきました。
続いて敬神会会長より、新しい注連縄をくぐる氏子崇敬者皆さんが幸せとなりますようにと挨拶を述べられました。
細越大年縄保存会会長さんからは今回の注連縄について細かく教えていただきました。
最後にお山参詣保存会東青支部の代表からもお話しをいただきました。
それぞれの会同士交流を深めながら楽しく過ごしました。
直会の途中にはお山参詣の演奏だけではなく、ねぶた囃子も演奏してくださり、大変賑わいました。
氏子崇敬者皆さんにとりまして新たな年が災いなく、健やかに過ごせますようお祈り申し上げます。
是非、新しく奉製されたじゃんばら大注連縄をくぐりご参拝ください。