全国唯一病厄除守護神 廣田神社

社務日誌

上小国小国神社の秋祭が執り行われました。

2020.9.18 -[社務日誌

令和2年9月6日に外ヶ浜町上小国地区に鎮座する上小国小国神社の秋祭が執り行われました。

上小国小国神社では、毎年、春の大祭のみ神職が出向して神事を行い、秋の大祭では氏子の方々が主体となってお山参詣という行事を行っています。

そのため、秋の大祭に神職が奉仕することは先ずないのですが、昨年、この地域では上小国いきいき地域づくり検討会を設立し、未来に向けた「上小国いきいき地域づくりプラン」を策定したことで、青森県や大学との連携が増えて交流が盛んになったことで、氏子の要望もあり、今年は特別に奉仕することになりました。

実は平成23年にも東日本大震災によって春祭りが中止なり、秋祭りをご奉仕させていただいたことがありました。

それ以来となるため、とても楽しみにしていました。

昔、お山参詣は周辺の部落でも行っている地域は結構あったそうですが、今でも絶えずこうして行っている地域は、上小国地域だけとなってしまいした。

そのようなこともあり、50世帯にも満たない地域ですが、団結力が強く、この秋祭の時には町外に住んでいる子供やお孫さん達も集まってくれます。

先ずは神社にて神事を行うため、皆さん、白い服を身に纏い、本来では麻を使いますが、ビニールテープを使用した色とりどりに靡かせる御幣を持って参集しました。

神事では収穫感謝を祈念し、氏子代表にあわせて参列者全員で拝礼しました。

その後、いよいよお山参詣ということで、地区内を一周し、上小国小国神社が鎮座する頂上の山ノ神の小祠まで参詣することになります。

昔は囃子を実際に奏でていたそうですが、現在は録音した囃子を使用しながら、氏子代表が「サイギサイギ」の唱和をし、それに合わせてみんなで詠って練り歩きました。

小さい集落といえど、一周するには1時間以上はかかるため、途中、公民館で休み、集合写真を撮影したりしながら神社へと戻ってきました。

神社でも飲み物を飲んで喉を潤して休憩した後、いよいよ裏山の山ノ神へと参詣していきます。

山登り自体は15分程度でしたが、途中、勾配のきつい箇所もあるため、息を切らせながら最後の「サイギサイギ」を振り絞って登りました。

無事、登頂したところで、先頭で氏子の若い衆が持っていた御餅をお供えして、宮司にあわせて全員で拝礼しました。

気持ちよい汗を掻きながら、誰一人、怪我事故することなく登頂することが出来ました。

無事に参詣が出来た後は公民館に移動して盛大に直会の開催となりました。

先ずは、宮司講話ということで、20分程度、自己紹介も兼ねて神様のお話を氏子の皆さんにしました。

続いて、今回、神事に参列し、お山参詣も一緒に練り歩いた外ヶ浜町長より「いざという時に備えて」と題して防災について講話を賜りました。

全国で起きている災害を例に、近年見られる事故のケースを紹介しながら、外ヶ浜町の対応策や、今後の解決していかなければならない課題などお話しいただきました。

特に防災は町と住民が如何に綿密に情報を共有して対応できるかが重要だということで、外ヶ浜町でも様々な情報ツールなどを使用して取り組んでいることを紹介されました。

明日の我が身を守るにはしっかりとした知識が必要だと熱弁を奮ってお話しいただき、皆も真剣に聴いていました。

防災講話が終了したところで、御神酒を配り、乾杯となりました。

盛り上がってきたところで、上小国いきいき地域づくり事業で昨年、田植え体験などを手伝って頂いた東北地域づくり協会の方より挨拶がありました。

昨年の事業では弘前大学の学生や埼玉県の学生も参加したため、今回のお山参詣にも参加してもらい、一緒に行う予定だったそうなのですが、コロナ禍により、県をまたぐ移動は厳しいということで、残念ながら不参加となりました。

そのため、わざわざわ、手製のビデオメッセージを制作して地域の皆さんに感謝の言葉を届けてくれました。

中には、津軽三味線の大会した学生さんがいて、オリジナルの楽曲もかんせいしたということで、演奏している動画が流され、画面越しではありますが、大変盛り上がりました。

続いて、青森県庁の地域創生担当の職員の方も休みの合間を縫ってきてくださり、自己紹介をしていただきました。

中には、担当部署が変わったにもかかわらず来て下った職員さんや、ご自身の子供達を連れてきてくださった方もおり、仕事の枠を超えて交流が深まっていることに、氏子一同、とても喜んでいました。

また、外ヶ浜町役場からも地域創生も担当する総務の方々も休日にもかかわらず神事からご参集いただきました。

また、全国最年少女性首長の町長と、外ヶ浜町で子供たちにダンスを教えているご縁で移住してカフェなどを開いている蒔苗さん、ハワイからALTとして来られているサユミさんも、皆さんの前でご挨拶いただきました。

一通り、上小国地域と御縁があって一緒に神事をご奉仕された方々のご紹介の後は、恒例の、地区長さんセレクトにより御神酒の利き酒大会となりました。

立候補制だったので、宮司も一緒に参加させてもらい、総勢6名での対決となりました。

いざ飲んでみると、どのお酒も美味しく、味の違いはわかるものの、当てるのは難しく、宮司がビリとなりました。

珍回答連発で、爆笑が絶えない利き酒大会となりました。

その後は、蒔苗さんによる踊りを披露してもらいました。

更に盛り上がってきたところで、カラオケ大会となり、一発目は外ヶ浜町長の美声ではじまったため、氏子の皆さんも大変喜ばれました。

コロナ禍の中、こうした行事を行うことに賛否はあるかと思いますが、こうして小さな村で、一年に一度、神社のお祭りのもと住民同士が一堂に会し、お互いの元気な姿を確認しあう行事はとても大事で、貴重な時間となります。

これからも感謝の祈りを絶やさずに、氏子協力し合っていただければと思います。

稔り多き感謝と来年も佳き年となることを、お祈り申し上げます。