神葬祭が執り行われました。
2011.3.25 -[社務日誌]
23日から25日にかけて神葬祭が執り行われました。
納棺祭、火葬祭、通夜祭、葬場祭、帰家祭が行われ、滞りなく終えることができました。
故人を偲び 御霊安らかならんことをご祈念申し上げます。
※写真は前宮司の神葬祭風景です。
神葬祭(しんそうさい)とは神道式のお葬式のことであります。
そこでよく聞かれるのが仏教と神道の葬祭の違いについて教えて下さい。という質問が多いので、大変わかりやすく説明してあります神社新報社発行、神社本庁教学研究所監修の「神道いろは」からこの回答部分を転載いたします。
仏教と神道の葬祭の違いとは
仏教と神道の葬祭の大きな違いとは、その霊魂観の相違からくるのではないでしょうか。
仏教における理想とは、出家し、修行を積み重ね、自らの煩悩を捨てて悟りの境地に達し、死後、人間的苦悩である六道(天界・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄)への生まれかわりから脱して、涅槃成仏(ねはんじょうぶつ)という状態に至ることをいいます。
悟りの境地に達し得ない人は、亡くなってから四十九日(中陰)を過ぎると六道のいずれかに生まれ変わり、迷いの生を続けねばなりません。
このため、仏式葬祭では、仏法の加護で故人が迷わず成仏できるよう御本尊に祈り、四十九日の法要などもこのことが中心におこなわれています。本来、それ以後の追善供養をおこなわないのも、成仏した後、故人の霊魂が現世と隔絶した存在になると考えられているからです。
これに対して、神道は現世(うつしよ)を第一義に考えています。人が亡くなった後も霊魂は不滅であり、祀られて鎮まった”みたま”は、子孫を見守る祖霊となります。こうした考え方により、葬祭では故人の生前の功績を讃え、遺徳を偲び、その後、祖霊祭(年祭やお盆・お彼岸)では亡くなられた方の”みたま”を丁重にお祀りするのです。そこには、故人の霊魂と遺族との直接的な関係があります。現在、仏教の行事とされているお盆などの”みたま祭り”も、本来は仏教と関係なく、日本固有の祖霊信仰に基づくものなのです。
以上。
また盆行事についても神社ホームページのよくある質問ページに紹介しております。
→http://hirotajinja.or.jp/question/#q11
このように実は祖霊信仰、つまりはご先祖様に対する信仰は日本固有の神道から来る考え方でありました。
そのため、古くは日本最古の書物、「古事記」や「日本書紀」にも葬送の記述があります。
ところが日本へ仏教が伝来すると奈良時代以降徐々に仏教式にて行われるようになり、江戸時代には寺請(てらうけ)制度というものが確立し、それぞれの寺院に檀那が設けられ、神職といえど檀那に所属しなければなりませんでした。
その後、神職の活動によって、元々神道固有の葬式であった神葬祭で行うことも認められていきました。
最近、この元々神道固有の祖霊観を認識してか、神葬祭や霊祭に関する問い合わせも増えております。
神道とは全日本人が普遍的に享受して信仰しているもののため、改宗というものが無くとも誰もが受けることができますが、双方の混乱を招かないためにも、他の宗教から移る場合には先方への連絡報告のもと、神道式へ移ることをお勧めします。
また、神葬祭は地域、神社によっても様々に異なりますので詳しくはお問い合わせ下さい。