神葬祭(神道の葬式)が執り行われました。
2012.2.24 -[社務日誌]
数日前より、神葬祭(神道の葬式)が執り行われました。
今回は納棺祭、遷霊・通夜祭、火葬祭、葬場祭が斎行され滞りなく終了致しました。
主にご家族・親類での神葬祭となりましたが、1人1人が故人に対して向き合いしっかりと拝礼されていました。
また、故人のお孫さんも祭典の度にしっかりと神職に挨拶をし、きちんとした教えが家族間で受け継がれていることを感じました。
故人を偲び 御霊安らかならんことを祈念申し上げます。
神葬祭(しんそうさい)とは神道式のお葬式のことであります。
そこでよく聞かれるのが仏教と神道の葬祭の違いについて教えて下さい。という質問が多いので、大変わかりやすく説明してあります神社新報社発行、神社本庁教学研究所監修の「神道いろは」からこの回答部分を転載いたします。
仏教と神道の葬祭の違いとは
仏教と神道の葬祭の大きな違いとは、その霊魂観の相違からくるのではないでしょうか。
仏教における理想とは、出家し、修行を積み重ね、自らの煩悩を捨てて悟りの境地に達し、死後、人間的苦悩である六道(天界・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄)への生まれかわりから脱して、涅槃成仏(ねはんじょうぶつ)という状態に至ることをいいます。
悟りの境地に達し得ない人は、亡くなってから四十九日(中陰)を過ぎると六道のいずれかに生まれ変わり、迷いの生を続けねばなりません。
このため、仏式葬祭では、仏法の加護で故人が迷わず成仏できるよう御本尊に祈り、四十九日の法要などもこのことが中心におこなわれています。本来、それ以後の追善供養をおこなわないのも、成仏した後、故人の霊魂が現世と隔絶した存在になると考えられているからです。
これに対して、神道は現世(うつしよ)を第一義に考えています。人が亡くなった後も霊魂は不滅であり、祀られて鎮まった”みたま”は、子孫を見守る祖霊となります。こうした考え方により、葬祭では故人の生前の功績を讃え、遺徳を偲び、その後、祖霊祭(年祭やお盆・お彼岸)では亡くなられた方の”みたま”を丁重にお祀りするのです。そこには、故人の霊魂と遺族との直接的な関係があります。現在、仏教の行事とされているお盆などの”みたま祭り”も、本来は仏教と関係なく、日本固有の祖霊信仰に基づくものなのです。
以上
また盆行事についても神社ホームページのよくある質問ページに紹介しております。
→http://hirotajinja.or.jp/question/#q11
このように実は祖霊信仰、つまりはご先祖様に対する信仰は日本固有である神道の考え方でありました。
そのため、日本最古の書物である「古事記」や「日本書紀」にも、そのような葬送の記述が見受けられます。
現在のような仏教式での葬祭が広まるのは、日本へ仏教が伝来し様々な文化と融合していく中で、江戸時代に寺請(てらうけ)制度というものが確立されてからとなります。
その制度によって寺院に檀那が設けられてからは、神職といえど檀那に所属しなければならず、強制的に仏教式での葬式が進められていきました。
その後、神職の活動によって神葬祭で行うことも認められていきましたが今もって神道式は少数となっています。
最近、神道固有の祖霊観を認識してか神葬祭や霊祭に関する問い合わせもが増えております。
神道とは日本人が知らず内に普遍的に享受して信仰しているため、改宗という概念はありませんが、混乱を招かないためにも他の宗教から移る場合には先方への連絡報告のもと移ることをお勧めします。
また、神葬祭は地域、神社によっても様々に異なりますので詳しくは神社まで気軽にお問い合わせ下さい。